家族のために作っていたお菓子
娘の「ユニコーンケーキがいい!」から始まった、私のデコレーションケーキ作り。
最初はもちろん、仕事にしようなんて全く考えていませんでした。
ただ、家族が喜ぶ顔が見たくて。
誕生日や記念日が来るたびに、
「今度は何を作ろう?」
と考えることが、いつの間にか私自身の楽しみにもなっていました。
決して最初から上手だったわけではありません。
今見ると笑ってしまうようなケーキもたくさんあります。

それでも家族は喜んでくれました。
その「おいしい!」や「すごい!」が嬉しくて、また次を作る。
私のお菓子作りは、そんな繰り返しでした。
「作ってほしい」と言ってもらえるように
家族のために作っていたケーキを周りの方に見てもらう機会が増えると、少しずつ
「作ってほしい」
と言っていただけるようになりました。
最初の頃は、材料費に少しだけプラスした金額で、犬友達など身近な方に作らせてもらっていました。
まだお店でもなければ、立派な設備があるわけでもありません。
それでも、大切な誕生日や記念日のケーキを任せてもらえる。
それが本当に嬉しかったことを覚えています。
同時に、人に食べてもらうものを作る責任も感じるようになりました。
家族に作るのとは違います。
味はもちろん、焼き上がり、見た目、衛生面、ラッピング。

「これで大丈夫かな?」
一つ気になれば、また作る。
失敗すれば、原因を考えてまた作る。
今でもそうですが、この頃から私のお菓子作りは、かなりの試行錯誤型だったように思います。
犬も一緒に食べられるケーキへ
そして、我が家には大切な家族がもう一人。
愛犬のレンです。
せっかくの家族の記念日なら、レンも一緒に楽しめたらいい。
そんな思いから、犬も一緒に食べられるケーキを考えるようになりました。
人が食べておいしいこと。
そして、犬にも少しお裾分けできること。
家族の中で、誰か一人だけが仲間外れにならないケーキ。
これは、今のHANAにもつながっている大切な部分です。
私らしいケーキって何だろう

作る数が増えてくると、
「私にしか作れないものって何だろう?」
と考えるようになりました。
そこで生まれたのが、天然色素で色をつけたカラフルなシフォンケーキでした。
色の出方。
生地の膨らみ。
焼き縮み。
デコレーションとの組み合わせ。
思い描いた通りにならないこともたくさんありました。
でも、オーブンを開けた時にカラフルなシフォンがきれいに膨らんでいると、それだけで嬉しくなる。
何度も何度も焼きながら、少しずつ今の形になっていきました。

まるで「やってみたら?」と言われているような状況に
それでも、この時点ではまだ、
「お菓子屋さんを始めよう!」
と大きな決意をしていたわけではありませんでした。
実は、自宅の敷地内には、もともと主人の仕事場になる予定だった小さな建物がありました。
その場所が、私のお菓子作りに使えることになったのです。
もし、この場所がなかったら。

私はきっと、テナントを借りてまでお菓子屋さんを始めようとは思わなかったと思います。
家族のために始めたケーキ作り。
「作ってほしい」と言ってくださる方が少しずつ増えてきたこと。
そして、すぐそばには工房にできる場所がある。
いろいろなことが一つずつ重なっていきました。
「これはもう、やってみなさいってことなのかな?」
そんなふうに思うくらい、気づけば条件が揃っていました。
人生って不思議です。
自分から大きな夢に向かって走り出すこともあれば、目の前に現れた小さなきっかけを一つずつ拾っているうちに、思いもしなかった場所へたどり着くこともあります。
私にとってHANAは、まさに後者でした。
「好き」が少しずつ仕事になっていった
最初から、お菓子屋さんになることを目指していたわけではありません。
家族を喜ばせたくて、一つ作る。
誰かに「作ってほしい」と言ってもらって、また一つ作る。
うまくいかなければ、原因を考えてまた作る。
そして、目の前には工房にできる場所まで現れました。
だったら、やってみよう。
そうして私は、自宅の敷地内に小さなお菓子工房を作ることを決めました。
娘の「ユニコーンケーキがいい!」という一言から始まったお菓子作りが、まさかここまでつながっていくなんて。
あの頃の私は、想像もしていませんでした。
振り返ってみると、HANAは「こうしよう」と最初から決めて作ったものではありません。
家族の喜ぶ顔。
誰かの「作ってほしい」という言葉。
目の前にあった場所。
一つひとつのご縁やタイミングに背中を押されながら、少しずつ形になっていったものです。
そしてここから、
何もなかった小さな建物を、本当にお菓子を作れる工房にするための試行錯誤が始まります。
壁を塗ったり、設備を揃えたり、営業許可のために一つずつ条件を整えたり。
もちろん、すんなり完成したわけではありません。
次は、家族にも手伝ってもらいながら、自分たちで小さなお菓子工房を作った時のお話です。

