中高一貫校へ入学した私は、小学生だった頃とは全く違う世界へ飛び込みました。
周りには中学生だけでなく、高校生、時には卒業生の大学生までいました。
それまで遊びが中心だった毎日が、一気に「勝つこと」が当たり前の世界へ変わったのです。
私の生活は、テニス一色でした。
自宅から学校までは片道約2時間。
朝は始発に近い電車で家を出て朝練。
授業が終われば午後練。
さらにテニスクラブへ向かい、帰宅する頃には終電に近い時間でした。
家は、寝るために帰る場所。
そんな生活を約6年間続けました。
今思い返しても、「よく頑張っていたな」と思います。
そんな環境の中で、私は中学2年生の時に全国中学生テニス大会へ出場することができました。
でも、私だけが特別だったわけではありません。
チームの先輩たちは全国大会へ出場することが当たり前。
ベスト8に入り、優勝する先輩もいるような環境でした。
そんな環境にいたからこそ、私にとっても「全国へ行くこと」ではなく、「全国で勝つこと」が目標になっていました。
もちろん、環境だけで強くなれるわけではありません。
私は、自分に甘いところもありました。
だから全国大会では思うような結果を残せず、悔しさばかりが残りました。
「あの時、もう少し自分に厳しく向き合えていたら…。」
そう思うことは、今でもあります。
それでも一つだけ、今でも確信していることがあります。
もし違う環境にいたら、私は全国大会へ出場する選手にはなれていなかった。
環境は、努力をしなくても成長できる魔法ではありません。
でも、自分一人では見ることのできない景色を見せてくれる力があります。
そして、その景色を見た人は、また一つ高い目標に向かって努力できる。
私はテニスを通して、そのことを学びました。
だから私は、子育てでも同じように考えるようになりました。
子どもを変えようとするより、その子が成長できる環境を探したい。
この考え方の土台は、間違いなく私のテニス人生にあります。
そして、この経験があったからこそ、私は子どもたちにも、一つの世界だけではなく、さまざまな環境や体験に触れてほしいと思うようになりました。
子どもには、その子に合う環境がきっとあります。
だから私は、「何をやるか」よりも、「どんな環境で挑戦するか」を大切にしてきました。
次回は、子どもたちと一緒に、さまざまな世界へ飛び込んだ理由をお話しします。

