私がテニスを始めたきっかけは、姉でした。
当時、軟式テニスをしていた姉が、
「硬式テニスをやってみたい。」
と言い、見学に行ったテニスクラブ。
そこで出会ったのが、競合校の監督でした。
当時の監督は、クラブで育った経験者ではなく、運動神経のある真っさらな子を探していたそうです。
そして、なぜか姉ではなく、テニスをしたことのない私に声をかけてくださいました。
「この子にラケットを持たせてみて。」
そう言われ、人生で初めてラケットを握りました。
もちろん、打ち方なんて分かりません。
ただ、ボールに当てることだけで必死でした。
そんな私を見た監督とコーチが、笑顔でこう言ってくださったのです。
「フォームが綺麗だ。上手くなるぞ!」
今でも、その言葉をはっきり覚えています。
子どもの私は、その一言が本当に嬉しかった。
私は褒められて伸びるタイプ(笑)。
「もっとやってみたい!」
そんな気持ちが、どんどん大きくなっていきました。
そして、姉は高校へ、私は同じ中高一貫校へ。
二人とも硬式テニスの世界へ飛び込みました。
今振り返ると、あの日あの場所へ行ったことも、ご縁だったのだと思います。
もし姉が「硬式テニスをやりたい」と言わなかったら。
もしあの日、違うクラブへ行っていたら。
もし監督が私に声をかけなかったら。
きっと今の私はいません。
人生は、自分の努力だけではなく、人との出会いや環境との巡り合わせで、大きく動き始めることがあります。
私は、その最初の一歩をテニスから教えてもらいました。
次回は、強豪校で始まった想像を超える毎日。
自宅から学校まで片道約2時間。
朝練、午後練、そしてテニスクラブ。
「勝つこと」が当たり前だった環境が、私をどう成長させたのかをお話ししたいと思います。

