何もなかった場所をお菓子工房に。家族と作ったSWEETS LAB HANA

前回の記事では、家族のために始めたお菓子作りが、少しずつ仕事になっていったお話を書きました。

そして、その背中を押してくれたのが、自宅の敷地内にあった小さな建物でした。

もともとは、主人の仕事場になる予定だった場所です。

もし、この場所がなかったら。

私はきっと、テナントを借りてまでお菓子屋さんを始めてはいなかったと思います。

でも、目の前には使える場所がある。

「作ってほしい」と言ってくださる方も少しずつ増えている。

まるで、

「ここでやってみたら?」

と言われているような状況でした。

だったら、やってみよう。

こうして、小さなお菓子工房作りが始まりました。

何もない場所から、お菓子工房へ

とはいえ、建物があるからといって、すぐにお菓子を作って販売できるわけではありません。

人に食べてもらうものを作る以上、営業許可を取るための設備や衛生面の基準を満たす必要があります。

必要なものを調べて、一つずつ準備していきました。

壁は自分で防水塗装。

シンクや冷蔵庫、冷凍庫、オーブンなども揃えていきました。

扉が自動で閉まるようにしたり、蛇口を交換したり。

「ここも必要なんだ」

「次はこれか」

そんなことの繰り返しです。

業者さんに全部お願いして、完成した工房を受け取ったわけではありません。

できることは、自分たちで。

もちろん、私一人ではできないこともたくさんありました。

重たい設備を運ぶ時には、主人や息子にも手伝ってもらいました。

今振り返ると、お菓子工房を作っていたというより、家族みんなで一つの場所を育てていたように思います。

オーブンが変われば、同じようには焼けない

設備が揃えば、今までと同じケーキがそのまま作れる。

……そんなに簡単ではありませんでした。

オーブンが変われば、焼き上がりも変わります。

温度。

焼き時間。

生地の膨らみ方。

焼き縮み。

今まで家で焼いていた時にはうまくいっていたものが、新しいオーブンでは同じように焼けないこともありました。

また焼く。

温度を変える。

時間を変える。

そして、また焼く。

工房という「場所」が完成しても、そこで安定して商品を作れるようになるまでは、また別の試行錯誤が必要でした。

ケーキを作る場所だけでは終わらなかった

工房の中が少しずつ形になってきた頃、もう一つ必要なものがありました。

お客様に来ていただくなら、

「駐車場がいる。」

ところが、今の駐車場になっている場所は、最初からきれいに整備されていたわけではありません。

少し前まで、竹や笹まで生えていた場所です。

それを片付け、土をならし、形を整えて――。

駐車場も、自分で作りました。

ケーキを作り始めたはずなのに、気づけば壁を塗り、設備を整え、最後は土までならしている私。

Screenshot

今思うと、

Screenshot

「私はいったい、どこまで自分でやるつもりだったんだろう」

と思います(笑)。

でも当時は、

「必要なら、やってみよう」

それだけだった気がします。

あるものを使う。

ないものは作ってみる。

できないところは家族に助けてもらう。

そうやって一つずつ形にしていきました。

小さな工房、SWEETS LAB HANAの始まり

家族の喜ぶ顔が見たくて始めたケーキ作り。

娘の「ユニコーンケーキがいい」という一言から、デコレーションケーキを作るようになりました。

やがて、周りの方から「作ってほしい」と言っていただけるようになり、

私らしいケーキを作りたいと、カラフルなシフォンケーキを何度も焼きました。

そして偶然のように目の前にあった、主人の仕事場になる予定だった建物。

そこを自分たちの手で整え、小さなお菓子工房ができました。

最初から、

「私はお菓子屋さんになる」

と決めて歩いてきた道ではありません。

一つやってみたら、次の何かにつながる。

その先にまた新しい出会いやご縁がある。

振り返ると、HANAはそんなふうにしてできた場所です。

そしてこの小さな工房で、娘と一緒に育てていくSWEETS LAB HANAが始まりました。

完成したように見えても、ここがゴールではありません。

シフォンケーキの焼き方も、デコレーションも、ラッピングも。

今でも、

「もっと良くできないかな?」

と試行錯誤は続いています。

あの頃、竹や笹が生えていた場所に自分で駐車場を作ることになるなんて。

そして、その先でたくさんのケーキをお客様にお渡しすることになるなんて。

始めた頃の私は、想像もしていませんでした。

でもきっと、これが私のやり方なのだと思います。

まず、やってみる。

うまくいかなかったら、また考える。

そして、もう一度やってみる。

HANAも、そんな繰り返しの中で、今も少しずつ育っています。

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