「この子は、自尊心だけは損なっていません。」

発達評価の最後、小児心理士さんは私たち夫婦に、HANAの特性を一つひとつ丁寧に説明してくださいました。

その時間は、決して優しいものではありませんでした。

私たちの関わり方についても、たくさんのご指摘をいただきました。

「そうだったのか…。」

「もっと早く知っていれば…。」

そんな思いで胸がいっぱいになり、何度もうつむきそうになりました。

でも、それは私たち親を責めるためではありませんでした。

HANAという一人の子どもを、正しく理解するため。

そして、私たち親がHANAに合った関わり方を見つけるための、大切な時間だったのです。

そして最後に、小児心理士さんは少し表情を和らげ、こう言ってくださいました。

「この子は、自尊心だけは損なっていません。」

そして続けて、

「この子たちは、自尊心を損なってしまうと、それを取り戻すことは、とても難しいんです。」

その言葉を聞いた瞬間、涙があふれました。

HANAへの関わり方は、間違っていたこともたくさんありました。

もっと違う方法があった。

もっと理解してあげられた。

そんな後悔もありました。

それでも、

HANAという存在そのものを否定しない子育てだけは、間違っていなかった。

そう言っていただけたような気がしたのです。

それは、私にとって何よりもうれしい言葉でした。

あの日、小児心理士さんからいただいたその一言は、今でも私の宝物です。

子どもは、

できる・できないよりも先に、

「自分は大切な存在なんだ。」

そう思えることが、何より大切なのだと教えていただきました。

だから私は今でも、

HANAが何か失敗をしても、

思うようにできない日があっても、

HANAという存在だけは、絶対に否定しない。

そのことだけは、ずっと心に決めています。

親はつい、

「できるようになってほしい。」

そう願ってしまいます。

私もそうでした。

でも今は思います。

子どもが一番成長できるのは、

「ありのままの自分でも大丈夫。」

そう信じられる場所があること。

あの日、小児心理士さんからいただいた言葉は、

今でも私の子育ての原点です。

「大好きな茶道のお稽古。大好きなお菓子を食べて、思わずこの笑顔。」

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